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周永康
顔をしかめる周永康氏(ロイター) 普段の顔はもっと怖い

 習近平政権が登場してから、「腐敗撲滅」運動が開始され、数々の「大物」である高級幹部が逮捕された。ここにきて、ついに江沢民~胡錦濤政権時代の常務委員で(日本の内閣大臣に当たる)、司法・治安維持のトップ周永康氏の自宅軟禁が報じられた。中国では、常務委員まで上り詰めれば、スキャンダルが発生しても、引退後含めてその不正を追求されないという暗黙のルールがあるだけに、今回における摘発規模の大きさが伺える。また、周氏は前主席・江沢民氏とも関係が近いことから、果たしてどこまで摘発の手が伸びるか、注目である。

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[北京 11日 ロイター] -複数の関係筋は11日、中国政界の実力者で、失脚した薄煕来氏と密接な関係にあったとされる周永康・前共産党政治局常務委員が事実上の自宅軟禁下にあることを明らかにした。

共産党が汚職容疑で周氏を調べているという。

汚職スキャンダルに巻き込まれた要人としては、1949年の共産党政権樹立以来、最高位の人物となる。

周氏は、公安や司法部門を統括する党中央政法委員会書記や、中国石油天然ガス集団(CNPC)のトップも務めていた。昨年11月の党大会で政治局常務委員を退任している。

指導部とつながりのある複数の関係筋が匿名を条件に明らかにしたところによると、習近平・国家主席は、周氏の政敵からの訴えを受けて、11月下旬もしくは12月初旬に、周氏を調査する特別作業部会の設置を命令。作業部会は党規約の違反容疑で調査を進めている。

関係筋は具体的な容疑を明らかにしなかったが、周氏は常に動向を監視されており、事前の承認がなければ、外出や来客応対もできない状態。

関係筋によると、習主席は、内部調査の結果が出るのを待っており、周氏の処分をまだ決めていない。
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編集長お解説コーナー

 この周氏の腐敗ぶり、江沢民政権時代から有名であったが、周氏は中国武装警察(公安含む)の最高実権者だけあって、下手に歯向かうと、クーデターを引き起こす恐れもあってか、胡錦濤前主席でさえ容易に手出しできなかった。

 そこで、この中国全土の治安維持の役割を果たすとされる武装警察の出費は、毎年国家予算において「治安維持費」として計上されている。その額がなんと、伸び続ける中国の軍事費よりも額が多いのだ。その理由として、中国国内の不安定さが主な要因とされるも、周氏の権力による過大請求との見方もあり、それが腐敗の温床ともなって、共産党内でも不満が大きかった。

 中国では、指導者が権力を掌握するには、武力の掌握が絶対に必要である。だから、今回周氏の自宅軟禁は、習近平ラインが武装警察の実権を掌握したと読み取れ、習政権の権力基盤がより強固となったといえるだろう。周氏と近い薄熙来氏が起訴された際も、習近平主席は「薄氏の失脚により一層国内の改革を推進する」と発言しており、どうも共産党内では習近平(改革派)VS薄熙来(保守派)が対立しているようにみえる。これによりその対立に決着がついたすれば、本格的な改革など新政権の独自色を全面に出すことになり、李克強首相が進める「リコノミクス」が一層政策面に浸透してくるのではないでしょうか。そして、それまで一貫とした対日強硬な姿勢にも変化が現れるか、このニュース上記のすべてにおけるターニングポイントとなるかもしれない。

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軍事費より多額に計上される治安維持費(ロイター)

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